中国人のあいだで「米国籍」の人気が下降中、その理由は?

サーチナ 4月2日(土)14時22分配信

米国籍を取得するのは何よりも難しい。これはこれまで無数の中国人が感じてきたことだ。いつの日か、米国籍取得は中国人にとって夢になっていた。しかし、ここ数年、これまで寵愛を受けてきた米国籍の人気がひそかに下降してきている。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
移民にとって、米国籍を取得するメリットは多い。ビザなしで世界各国へ行けること、家族の移民申請の資格を持てること、選挙権、参政権を持てることなどだ。これら一連の要因により、各世代の中国人は米国籍を取得しようと躍起になっていた。米国土安全保障省が2010年に公表したデータによると、2000-09年まで、35万人近い中国人が米国籍を取得した。また、別の試算によると、米国に住む4分の3の中国人が米国籍を取得しているという。

中国人の有権者の増加と参政意識の高まりに伴い、中国人の米国政界における影響力は増してきている。しかし、移民の主流社会への同化能力は低く、中国人による参政の熱意は相対的に低い。11年2月、米国華人全国委員会とメリーランド大学アジア系米国人センターが共同で発表した「2011年全米華人人口動態研究報告」によると、就職動向に関して、華人の82.4%が私営企業で働き、政府関係機関で働く人はわずか14.1%だという。在米中国人の米国籍取得を奨励することは、このような状況を改善するカギとなる。
しかし、アジア太平洋地域の中国人組織が米国籍取得を奨励する一方で、海外に住む米国籍の中国人が米国籍を放棄しているのはなぜだろうか?米国政府が米国国民に対し、海外で得た収入の所得税支払いを義務付けたことと資産申告を義務付けたことが主因だ。
これにより、海外で米国籍を維持するコストは高くなり、また、面倒も多くなることから、その負担に耐えられなくなったのだと考えられる。09年に米国籍を放棄した香港銀行のある従業員は「すでに中国で生活して長くなるが、米国政府に支払う税額と子どもの学費が同じくらいになったため、米国籍を放棄することを決めた」と明かした。
移民手続きと税制を専門とするウィザーズ法律事務所(香港)のクラウス氏は「米国籍をもつ中国人は、自分の負担する税額と申告義務を目の当たりにし、確かに負担が重いと感じるようだ」と述べた。クラウス氏によると、米国籍あるいはグリーンカードの放棄手続きに来る顧客の数は非常に増加しているという。米国の政府刊行物「連邦公報」によると、昨年は1500名を越える米国人が米国籍を放棄したという。
米国に住む外国移民の多くが米国籍取得を望んでいる。その一方で、海外に住む米国国民と少数の富豪が税負担に耐えられず、米国籍を放棄している。この2タイプの人びとの大部分が中国人である。中国人による米国籍の取得と放棄は、米国籍の移民に対する魅力を示す一方で、不況や税負担により、米国籍が魅力を失いつつあることも示している。

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